創業前・・・よくある「5つ悩み」解決策は?
筆者である私はこれまで数多くの創業相談を受けてきましたが、その中で相談者の多くが共通して抱える悩みがあることに気づきました。創業を考えたとき、多くの方が「何をすればよいのか」「本当にやっていけるのか」といった漠然とした不安を抱えています。
そこで今回は、創業前に多くの方が直面する「5つの悩み」を取り上げ、それぞれの解決策について解説します。創業を成功に導くための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
1,よくある5つの悩みとは
創業相談者から多く聞かれる悩みは、以下の5つにパターン化されます。
【®Hideaki Kojo】
1番の「ぼんやりとした不安」を抱えているケースは、課題が何かを明確にできていない方に多くあります。確かに、創業の経験がないわけですから、課題が見えないというのも理解できます。とは言え、事業は「人」「物」「金」を動かす営みです。この3点を基軸に、想像していくことが課題の明確化につながります。
2~4番は、具体的な課題として相談されることが多いものです。また、5番は「何から始めたらいいですか?」といったケースで、こちらもよく聞かれます。こうした悩みを解決するために必要なのが「事業計画の作成」です。
2,より良い事業計画を作成するためには
事業計画は、「事業の成功可能性を検証し、具体的な行動計画を立てるための設計図」です。事業計画を作成することで、以下のようなメリットがあります。
- 創業の目的と方向性が明確になる。
- 資金計画を整理でき、融資や助成金申請の準備ができる。
- 競合との違いやターゲット市場が明確になることで、集客戦略が立てやすくなる。
- 事業が本当に成り立つのかを客観的に検証できる。
では、事業計画には具体的にどのような内容を盛り込むべきでしょうか?
【®Hideaki Kojo】
3,収支計画が重要
事業計画の中でも特に重要なのが 収支計画 です。なぜなら、利益が確保できなければ、どれだけ良い商品やサービスを提供しても事業は継続できないからです。例えば、小売業やサービス業を始める上で収支計画を作成する場合は、以下の点を注意してください。
- 売上の見込みについて、確実性はあるか
- 月ごとの売上予測を立てます。売上の基本は単価×客数です。単価が正しいか、集客が本当に見込めるか、しっかり見極めましょう。
- 経費の計算
- 固定費(家賃・人件費・光熱費など)と変動費(仕入れ・広告費など)を明確にしましょう。失敗する事例として多かったのは、固定費が売上と比べて大きいケースです。特に家賃と人件費が適正か、確認しましょう。
- 損益分岐点の計算
- 事業が赤字にならないためには、最低限どれだけの売上が必要かを算出します。損益分岐点よりも上を目指す計画を作成してください。
- キャッシュフローの把握
- 事業開始後、数か月は売上が入金されず、支出ばかりという事業も多くあります。資金ショートしないように、余裕を持った資金繰りの計画を立てましょう。
創業を考える際、多くの方が「本当にやっていけるのか」と不安を抱きます。しかし、その不安の多くは 事業計画の作成 によって解消できます。具体的な記入例は、日本政策金融公庫のホームページで紹介されているので、参考にしてください。
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
収支計画をしっかり検証すること は、利益を確保できるかどうかを見極めるためにとても重要です。ただし、1人で検討すると見落としや勘違いもあることと思いますので、NPO文京(文京区中小企業経営協会)の専門家に相談することをお勧めします。また、文京区では創業を支援するための相談窓口や制度もありますので、活用してみてください。
(文責・古城秀明)
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